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​物語

幻夢館。そこは極上の食事と極上のショーが振る舞われ、夢のような一時が約束されている不思議な館。

場所は不明。連絡先も不明。

館に行く方法は1つだけ。『招待状』を手に入れること。

夜の帳が落ちた時、招待状は客人を館に誘うだろう。

いつからかそんな噂が広まり、館を訪れたという人間も次第に増えた。

彼等が言うには、館のキャストは怪物に扮した美男美女ばかりらしい。

 

それが本物の怪物であるとは、誰一人疑いもしないのだ――。

 

 

古柴唯依は平凡な女子高生だった。

知力・体力・容姿全てにおいて優れても劣ってもいない、ごく平凡な。

しかし、幻夢館の招待状を手に入れた夜から、彼女の運命は大きく動き出していく。

古柴唯依は平凡だ。

とてつもなく不運という、その一点を除いては。

​「私は運が悪い。とても。かなり。絶望的に」

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